オルカンFIREの美学

オルカンでFIREを目指している中年男性のおはなし

知らぬが仏 言わぬが花

車で10分くらいのところに、母が一人暮らしをしています。それで休日には母の様子を見に行き、買い物に連れて行ったりしています。


母とはLINEで連絡しているのですが、高齢なこともあり文字を打つのが億劫らしく、大体はボイスメッセージを入れてきます。


先日、母に「今日は午前中に行きます」と送った後、掃除やら家事を片付けたのですが、スマホを確認したら4件もボイスメッセージが入っていました。正直ボイスメッセージは確認するのが面倒くさい…のですが、4件とはどうしたことだと思い、急いで確認しました。



9:08「お母さんですー。みましたー。午前中寄ってくれるって?…で、ちょっとわるいんだけど、これからトイレに入るから、しばらくインターホン出れませーん。ふふふ」


9:11「お母さんですー。もう大丈夫ですー。出ましたのでー。」


9:57「お母さんですー。ちょっと何回もわるいんだけど、またトイレに入りますー。何時ぐらいに来るのかあれだけど、インターホン出れませーん」


10:09 未読



あまりにどうでもよい内容で、4件目はもう聞く気にならず、未読のまま母の家に行き、「こういう場合はトイレにスマホを持っていくように」と教えたのち、その場で4件目を再生しました。


3件目と4件目は間隔からして、小用ではなかったのでしょう。わたしのスマホからは、少し上気した調子でトイレから戻ったことを報告する、母の声が再生されました。この辱めにより、次回以降は改善されることを望みます。


本日の総資産額:45,423,121円

ふいんき…あれおかしいな変換できない

雰囲気。


この言葉はもうほとんどの人が「ふいんき」と発音している気がする。たしかに「ふんいき」より「ふいんき」の方が言いやすい。実際は「ふぃんき」くらい短く言っていて、さらに言いやすくなっている。そのうち「ふいんき」でも雰囲気に変換できたりしちゃうかもしれない。


言葉は変化していくものなのでまぁ仕方がないのですが、個人的にこだわりのある言葉がある。


「香り」と「匂い」だ。


わたしの認識では、「香り」は快の感情につながる嗅覚刺激に対してだけ使い、「匂い」は快でも不快でもニュートラルでも使える言葉だ。この汎用性の高さからか、会話では「匂い」ばかり使われ、「香り」を聞くことがほとんどない。「香り」、かわいそう。


なのでわたしは極力、いいときは「香り」、そのほかは「匂い」を使うように心がけている。誰も気づいていないと思うけれど、ひそかなこだわりだ。


だから嗅覚刺激があった時には頭で考えて、ワンテンポおいて声に出す。コーヒー→快→いい香りだね、ブルーチーズ→不快→すごい匂いだね、のように。


しかし今日、トイレに入った瞬間、出た言葉は「ア゛ッグゥッ」


思考プロセスを超える強烈な刺激には、こだわりも何もあったもんじゃない。流してくれ。



本日の総資産額:45,209,675円

釣り名人

Mさんが復帰した。


タネの件、チームのみんなで盛り上がってしまっていたので、会うなり「たいへんだったねー、まだ発芽してないよ」と言ってしまいMさんはポカンとしていたが、いきさつを聞いてカラカラ笑った後に、中身を見せてくれた。


フタを開けてみればたいしたことはない、なんてことはよくあるが、文字どおりフタを開けて見せてくれたそれは、何のことはない普通のインスタントコーヒーだった。まあそりゃそうだ。


「種」と書いていたのは、もともとそのビンを「チアシード入れ」にしていたからだった。そういえば少し前に流行っていたっけ。


そんなこんなで悩みの種は解消し、仕事も平常運転に戻った。めでたしめでたしだ。


しばらくして、給湯室の共用冷蔵庫を開けたら、今度はMさんのペットボトルに「ただの水道水」というふせん紙が貼られていた。わたしみたいなのが妄想を膨らませないよう気を使ってくれたのだろう。


ところがデスクに戻る道すがら、Mさんが別の同僚から呼び止められていた。「ちょっとMさん、ただの水道水って、ほんとにただの水道水なの?」だって。いろんな引っ掛かり方をする人がいるものだ。



本日の総資産額:45,267,294円